愛知県瀬戸市の海上の森(かいしょのもり)は愛知万博の会場候補地となっていましたが、オオタカの棲息が確認され、その他植物も貴重な自然が残されているとのことで会場とならず、守られてきました。その海上の森の民有地のヒノキやスギの林がおよそ2ヘクタール伐採され、ソーラーパネルが設置されました。
設置した業者は2013年に瀬戸市に対し計画を提出しましたが、瀬戸市は万博の理念や下流の環境への影響を問題とし、瀬戸市土地利用調整条例にもとづき、中止を勧告しました。しかし、パネルは設置されてしまいました。愛知県は海上の森に「あいち海上の森センター」を開設し、同センターは開発を把握していましたが、森林法による規制など有効な対処ができずに終わっています。(以上朝日新聞2016 年2月16日付による)
≪参考≫ 朝日新聞DIGITAL ソーラー設置、愛知県などが現地調査 万博会場隣接
愛知県はその後設置業者が許可基準を満たすよう災害防止対策などを取れば事後的に許可する方針とのこと。(同2月26日付による)
≪参考≫ 朝日新聞DIGITAL 海上の森隣接の太陽光施設、事後的許可へ 愛知県
これに対し日本野鳥の会愛知県支部等の団体が、愛知県知事宛てに原状を復旧させるなどの要望書を提出しました。なおこの要望書には当会(日本野鳥の会三重)も賛同を表明しております。
≪要望書のPDF≫海上の森で違法に建設されたソーラー発電施設に対する要望書
太陽光発電については国が税制上の優遇措置、および高価な電力買い取り価格設定などを打ち出したため、ソーラーバブルを呼び起こし、各地の貴重な自然が蝕まれる結果となりました。
(平井正志)