2017年6月10~11日に長野県木曽郡で行われた宿泊探鳥会の模様をお伝えします。
6月10日早朝、松阪駅、津駅、桑名駅を経由して会員27名が参加して一路長野県へ向かいます。途中、恵那サービスエリアへ寄るとトイレ付近にたくさんのツバメの巣があり子育ての真っ最中です。皆さんそれを熱心に観察されていました。そして田ノ原天然公園へ向かいますが、だんだん天候があやしくなり到着する頃には雨が降り出しました。
皆さんカッパやダウンを着込んで探鳥開始です。しかし、小雨と強風のため鳥はあまりいません。スキー場へ向かうと芝生付近にようやくルリビタキとホオアカの姿を確認しました。
この後、早々に探鳥を終了して宿泊するホテル木曽温泉へ向かいました。
翌日は、雨も止み青空が広がり木曽御岳も綺麗に見えています。朝食前にホテル周辺の森へ入り探鳥です。
森にはアカゲラやコガラなどの小鳥の声が聞こえてきます。早朝の探鳥は2時間ほどで終了して朝食をとります。
朝食後、開田高原へ出発する前にも周辺を探鳥していると上空をノスリのつがいがソアリングしていました。そしてサンショウクイが餌を銜えています。
開田高原ではヒガラの営巣やモズを観察しました。そして昼食場所でも皆さん植物や蝶などを熱心に観察されていました。
ある会員の方はウスバアゲハの産卯を目撃されていました。以下はその解説です。
ウスバアゲハ 食草はムラサキケマン、エゾエンゴサク、ヤマエンゴサクなど生息環境は林縁、草原産卵は地面の枯れ葉や枯れ枝に行われます。
6月11日正午少し前、晴天で気温はおそらく20℃くらいでしょうか。無風 雪をいただく御岳も頂上まですっきりと見えていました。ゆったりと飛ぶウスバアゲハがいくつもいますがとまってくれずに観察撮影のチャンスがなかなかきません。でも数人でねばったかいがあり植物にとまる個体もでてきました。さらには産卵♀の姿も。この蝶は交尾をした♂が♀の尾部に受胎嚢とよばれるものをつけます。ほかの♂との交尾ができなくするためです。画像の♀にもよく見るとちょっと色が違う大きめのものがくっついていますね。
この卵のまま夏秋冬を越し来年早春にようやく孵化食草が芽をだすころです。そして幼虫はそれを食べて育ちサナギになり5月下旬ごろに羽化して成虫になります。 (矢田栄史)
1日目は天候に恵まれず、2日目もお目当ての鳥はあまり見られませんでしたが、三重ではお目にかかれない鳥、植物や昆虫がたくさん観察でき、皆さん満足のいく宿泊探鳥会になりました。 (tohi-sasama)