Northern Goshawk
(Accipiter gentilis)
カラスくらいの大きさのタカ。年間を通して三重に生息し、繁殖する。主として鳥類を捕食する。背面は青灰色、下面は白く、細い暗色の横斑がある。メスはオスより明らかに大きく、色はやや暖色、すなわち褐色味を帯びる。
低山に棲み、巣周辺や河岸の林、溜池周辺を狩場とする。ハト類、カケス、ヒヨドリなど鳥を襲って捕食する。冬にはカモを襲うことも多い。
県内でも低山に生息する。全国的に見ると関東地方で増加しており、国内希少野生動植物種の指定は解除された。しかし、三重県ではここ20年くらいで増加したとする兆候はない。むしろ、針葉樹植林や竹林の拡大、河畔林の伐採など、道路、工場、住宅の建設、太陽光発電の拡大などオオタカの生息環境の悪化が懸念される。引き続き厳重な保護が必要である。
繁殖は早ければ1月から始まり、巣作り、交尾が見られる。3月末から4月に産卵し、6月下旬から7月に若鳥が巣立つ。繁殖期は敏感であり、巣に近づくべきではない。特に4月から5月の抱卵期は敏感で、一度巣に近づいただけで、容易に抱卵を放棄するので、巣に近寄るべきではない。当会の会報に長期の営巣観察記録がある(しろちどり76号)。