ミヤコドリはとても目立つ白と黒の大型の水鳥で、海岸や河口に飛来し、オレンジ色のくちばしを上手に使い二枚貝を食べます。この種はヨーロッパからアジアまで広く分布しますが、日本に飛来するミヤコドリは東アジア飛行ルートに属し、このルートには約10,000羽が生息すると考えられています。日本では毎年400羽から600羽が観察されています。
三重県ではミヤコドリは安濃川河口で多数が観察されています。 環境省が主催し、各地のボランティア―が調査するシギ・チドリ調査では厳密な同時調査を行っていないため、各地に分散するミヤコドリの総数を把握することができません。そこで、当会では独自に「ミヤコドリカウント」プロジェクトを立ち上げ、伊勢湾西岸全域、北は四日市市高松海岸から西は伊勢市二見海岸まで会員で手分けし、同日同時刻に調査し、越冬個体数を調査しています。近年では松阪市五主海岸でも、また四日市北部の高松海岸でも多数が見られる時があり、ミヤコドリは伊勢湾西岸を広く利用していると考えられます。
2011年1月22日には104羽が観察されました。104羽は東アジア飛行ルートの推定個体数の1%にあたり、この鳥の生息地として中勢海岸は重要であると考えられます。
また、2013/2014の冬期には最高84羽が、2014/2015の冬期には最高65羽が記録されました。2014/2015の冬期には12月中旬から2月下旬まで62羽から65羽のミヤコドリが伊勢湾西岸に滞在していたことが明らかになりました。
また、ミヤコドリカウントでは同時にズグロカモメ、コクガンも調査しています。
調査結果は会報「しろちどり」に随時掲載します。