―蓮ダム、迷岳周辺の山域に大規模な風力発電計画―
計画地は国道166号の南側、蓮ダム湖の周囲の山地で、迷岳も計画地に入れられている。風車はこれまで日本ではほとんど建設されていない、4,200から-5,500 kw級を予定しており、最大では全高183 mもの巨大なものである。その風車を最大60基という、これまでにない大規模な風力発電の計画である。風車の建設は4ヶ所に分散して計画されている。
計画地はすっぽり香肌峡県立自然公園の中。隣接する奥伊勢宮川峡県立自然公園も含まれる可能性もある。この山域は登山活動の活発な地域であり、また三重県内では比較的落葉樹が多く、一部にはブナ・ミズナラ群落も含まれる。高見山はサシバの渡りのルートであり、奈良支部による2006年から2012年までの調査では毎秋、800羽から1700羽のサシバが渡っている。今回の計画地はすぐその南に位置し、当然サシバが飛行するだろうし、影響が考えられる。
計画地に接する奈良県川上村ではイヌワシが棲息する。川上村に接する三重県側では1988年に三峰山付近でイヌワシの生息が確認されている。また、1991年には、計画地近くの池木屋山の北東斜面でイヌワシが観察されている。ただし、近年は調査が十分でなく、情報はない。また、当会は計画地周辺でクマタカを観察しており、計画地には数つがいが棲息すると考えられる。
また、計画地の一部は周辺の人家に近く、人間生活への影響も懸念される。
当会は2021年8月26日、アセスメント、環境配慮書に対して、建設に反対する意見を公益財団法人日本野鳥の会と連名で提出した。日本自然保護協会も、2021年8月30日、計画の中止を求め、意見書を出した。 地元松阪市内でも建設に反対する動きがある。
なお、環境配慮書は三重県庁栄町庁舎(津市)1階の情報公開課で閲覧でき、有料であるが、コピー得ることできる。
なお、合同会社 三重松阪蓮ウィンドファームのホームページからも閲覧できる。