三重県の農地の大半が水田である。季節の移り変わりに従い、様々な鳥が水田を訪れる。 

paddy

春、田に水が入れられ、田が起こされるとサギ類、ハクセキレイなどは飛来し、水により追い出された昆虫類を捕食する。アマサギが渡ってくるとこれに加わる。ハシボソガラスが参加する時もある。海岸近くの水田ではタカブシギ、ムナグロなどの淡水性のシギが水田に入ることがある。さて、田植えが終わり、イネが伸びだす。アマサギやチュウサギはつねに水田をパトロールし、害虫を見つけ出しては駆除する。ツバメは田の上を飛び回り、空中の昆虫を捕食する。ケリはあぜで巣を作る。田植えで破壊されることが多いが、それでも田のどこかで繁殖し、ヒナを育てている。タマシギは多くないが、も水田のどこかで繁殖し、もう大きくなったイネの中でひっそりと暮らしている。

三重のイネの大半は早く刈り取られる。8月下旬にはもう稲刈りが始まる。稲が刈り取られると、隠れて住んでいた昆虫が暴き出され、チュウサギなどサギ類、ハシボソガラスなどが集まり、掃除する。

刈り取られた水田には渡りの途中のノビタキが羽根を休める。一部の水田は刈り取った跡の状態で冬を越す。落ち穂や二番穂を求めて、スズメ、カワラヒワが群れをなしてやってくる。水田の多くは冬にもう一度耕起し、乾いた裸地の状態で保存される。冬の水田を訪れる鳥は少ない。ヒバリやタヒバリが土くれの間で静かにえさを取る。林の近くではカシラダカの小群が餌を取る。ケリやタゲリがひっそりと採餌している時もある。水路もコンクリート製で冬の間乾燥していて、生物は棲まない。

耕地整理が進み、以前は田の隅にのこされていた木立、葦原や草地が減り、また冬に乾燥させることにより、水田が担う生物多様性が減少した。なんとか復元できないものであろうか。

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